債権者平等の原則があるため、たとえば、XさんがYさんにお金を貸すとき、Xさんは、Yさんが総債権者にお金を返すための十分な財産をもたなくなる可能性に備えなければなりません。
そこで、Xは、他の債権者よりも有利に自己の債権の満足を受けるために、Yの財産(物)の一部をXのために特別に確保しておく(=「特別の担保にする」)という方法が考えられます。このような制度のひとつが、担保物権です。
Xが担保物権を設定した物からは、他の債権者に口出し・横取りされることなく、Xが満足を受けることができます。
そして、担保物権を設定して守りたい債権のことを、「被担保債権」とよびます。
担保物権は、法律の要件をみたせば当然に発生するものと、当事者が契約によって発生させるものがあります。
前者を「法定担保物権」、後者を「約定担保物権」とよびます。
法定担保物権の例:留置権(民法295条~)、先取特権(民法303条~)
約定担保物権の例:質権(民法342条~)、抵当権(民法369条~)、譲渡担保(民法には明文なし)